メニュー

戦略的ブランドイメージとは?

ブランドイメージの中でも消費者の購買行動に直結するものを戦略的ブランドイメージといいます。例えば、みかんなら「甘い」とか、「甘みと酸味のバランスがいい」とか、それらがはっきりしない場合(又は検証する場合)は、消費者リサーチを行い、購買に直結する要素を洗い出します。

少し前に私が支援したミカン農家さんのみかんは栽培法の工夫により、味が濃厚だったの「美味しさが、濃いね!」というキャッチフレーズをつくり、そのブランドイメージの獲得を目指しました。みかん農家さんの名前を聞いたら、「ああ、あの美味しさが濃いミカンね!」と想起してもらうために、情報発信のその方向に絞ったのです。今後、その効果が出るのを期待していますが、後から濃蜜柑という商品があることを知り、ネーミングでブランドイメージを獲得するやり方の優位性に気づきました。

どんな商品でも、企業は競い合って戦略的ブランドイメージの獲得に努めます。でもすでにトップシェアの企業がそれを獲得していますので、それに真っ向から対立するのは、製品パフォーマンスが格段に上がっている場合を除いて難しいと思われます。そこで、2番目に重要なブランドイメージをとりにいくのか、それまでになかった新しい価値基準を持ってくるのかなど、戦略を促されます

米国の男性用スキンクリームの市場で「肌荒れが直る」というのがトップの戦略的ブランドイメージでした。しかし、このブランドイメージで第2位を獲得している製品よりも、2番目のブランドイメージであるである「べとつかない」をトップで獲得している製品の方が売上が大きいというデータがあります、また、日本ではアサヒビールがスーパードライで“辛口”というそれまでのビールにない価値(ポジショニング)を持ち込み、キリンからシェアを奪ったのは有名な話ですね。

(次回へ続く)