前回、売上の公式として「売上=客数×客単価×購買頻度」を示しましたが、これは単なる売上の要素分解であり、売上を予測するものではありません。これとは別に「①顧客数×②認知率×③配荷率×④プレファレンス×⑤客単価」は売上自体を予測する方式となります。
「顧客数」とは競合商品を含めたマーケット全体の顧客数、「認知率」とは自社商品の存在を知っている消費者の割合(そもそも知られていなければ買われることはありません)、「配荷率」とは自社商品の買いやすさの割合、「プレファレンス」とは自社商品に対する好意度のことで、つまり顧客から選ばれる割合のこと、最後の「客単価」は顧客の平均購入価格になります。
たとえば商圏内の顧客数が10万人、その中の認知率が50%、商圏内にある店舗4店の内、2店に卸しているので配荷率は50%、プレファレンスが10%、客単価が5,000円だとすると売上は1,250万円となります。
(※月2回の購買頻度なら、これに2を掛ければ月の売上。年6回の購買頻度なら、これに6を掛ければ年の売上になる訳です。)
ところが他の数値は変えずにプレファレンスだけ10%→80%に向上させると売上は8倍の1億円になります。
認知率は広告費を増やしたり、配荷率は店舗への営業を強化したり(又はでネット販売を加えたり)するなど、戦術(お金)で向上できますが、プレファレンスの場合は、ブランドイメージを上げるという戦略(頭)での工夫が必要になってくるのですね。
次回へ続く。